間違いだらけのハウスメーカー選び

感想
一級建築士である筆者が、実際に20社ものハウスメーカに対して概算見積と見取り図等の資料を提出させることで、営業力や提案力を評価する本である。施工主として何を基準に考えるべきか、資料はどのポイントで見るべきかといったことを、比較的公平な目で評価していて、なかなか面白い。ただ、実際には素人なので筆者のようにポイントを指摘できないのはつらいところ。
 一人の営業の態度でハウスメーカそのものを評価しているところに賛否両論あると思うが、対応してくれる営業とのフィーリングで印象が変わるのも事実であるので、参考になる本だと思う。
 ただし、無料で提案できるハウスメーカが対象であったため、有料(5万円)の住友林業と、少し前の本のため最近話題のタマホームの評価がなかったのが残念なところ。

間違いだらけのハウスメーカー選び
内容
大手ハウスメーカー20社に実際に見積もり・設計をさせ、その犯罪的な手抜きを、一級建築士が全て実名で実証的に暴く問題の書。各メーカーの採点、手抜きを見破る法、営業マンの本音と対策などを掲載する。
目次
第1章 営業マンの本音と対策―ホントに親身なの!?思わず騙される営業トーク
第2章 ハウスメーカー20社、本音プロフィール―建築のプロが正直に語る実情と評判
第3章 設計前に現地調査をするメーカー、しないメーカー―図面に仕掛けた罠ではっきりわかった!
第4章 無料設計の罠―タダほど怖いものはない。本当にきちんと設計してくれるのか!?
第5章 見積りと値引きの正体―どうして900万円も値引きできるの?
第6章 契約約款に書いてあること、ないこと―ちゃんと読めば工事の実態がわかる。読まないと思わぬトラブルが…
第7章 保証書が保証してくれること、してくれないこと―中身は各社ほぼ横並び。だが、書いてあることはよくわからない
第8章 ハウスメーカーのウィークポイント、地下室―なんだかみんな及び腰。地下室が欲しい人は要注意
終章 ハウスメーカー対策15カ条―これだけ押さえて実践すれば立派な家が建つ!
著者略歴
市村 博
1946年東京生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業。在学中は構造力学を専攻。1946年不動建設(株)技術部入社。1972年一級建築士取得。登録番号建設大臣71900号。1975年(株)市村建築事務所設立、代表取締役に就任。2002年「住まいと土地の検査機構」を主宰。HP「住まいと土地の総合相談センター」を開設。建設会社勤務中は構造設計に従事。独立後は事務所・共同住宅・医院等の設計監理を手掛けるが、やがて住宅設計の魔力にとりつかれ、住宅の設計監理を主たる業務とする。大手ハウスメーカーの協力事務所としてハウスメーカーの住まいづくりに協力(設計実績は1800棟に及ぶ)した。が、ハウスメーカーや工務店等の住まいづくりに疑問を抱き、消費者に住まいづくりの真実を公開するセカンドオピニオンとして、ニュートラルな立場の設計者となることを、ライフワークとして展開。妥協を許さない厳しい現場管理を実践している
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